“偏光”を多彩に操るフォトニック結晶のご紹介
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2022/6/15配信メルマガ
偏光を扱う素子といえば、偏光子や波長板ですよね。
今回は、フォトニック結晶を使った斬新で多彩な偏光制御技術を紹介します!
フォトニック結晶型光学素子
フォトニック結晶のイメージと断面構造の電子顕微鏡写真
膜の層数により偏光の消光比や複屈折位相差を制御できる
https://www.photonic-lattice.com/photoniccrystal/
特徴1
場所ごとに異方性軸を変えることで、局所偏光を自在に制御できます。
超集積型の偏光子や波長板の製造が可能で、偏光イメージングカメラのフィルターや、軸対称偏光ビーム形成素子として採用されています。
異方性軸を任意配置した波長板:表面の溝のラインが異方性軸に対応
特徴2
基板、膜含めてすべて酸化ハフニウムなどの無機材料で製造するため耐光性・耐熱性が高く、高出力レーザー用の素子としても問題なく使用できます。
また、波長250nmから12μmまでの広範囲の波長に対応できるのも大きな特徴です。
当社フォトニック結晶素子の対応波長領域 (深紫外から中赤外まで)
※中赤外領域対応素子は開発中。
特徴3
光の偏光方向を変えるだけに留まりません。波長板のセグメント化により一般の偏光素子では不可能なビームシェイプも実現可能です。
従来のビームシェイパー(例えばDOE: 回折光学素子)に比べ、高い回折効率を実現しやすい、表面の掃除や他の素子との貼り合わせなども容易にできる、といった特徴があり、レーザー加工用途に最適です。
従来のビームシェイパーには、大きく分けて2種類あります。
一つ目はROE(屈折型光学素子)のもの、二つ目は当社と同様のDOE(回折光学素子)のものです。ROEは空気と光学素子の境界面の屈折率差による光の屈折を利用し、光の集光・拡散の制御を行うのに対し、DOEは素子表面上の微細な構造で光が回折することによって、集光・拡散(方向や強度)します。当社では、フォトニック結晶に光が透過した際に、位相のずれを生じさせることにより制御を行います。原理上回折効率は100%。ビームの偏光制御と形状制御を同時に行うことができます。
標準的なROEでは実現できない光の形状設計が可能です。また、素子自体の形状もROEと比較して、薄く、均一になります。
フォトニック結晶を使った偏光ビームシェイパー
フォトニック結晶を使った偏光ビームシェイパーによってビームシェイプがガウシアンからボックスに変化した様子
特徴4
信頼性の高い完全な0次波長板(トゥルーゼロオーダー波長板)が作れます。0次波長板(トゥルーゼロオーダー波長板)とは、設計した波長において0次で所望の位相差が得られる波長板です。
例えば、複屈折材料である水晶で紫外域波長266nm用の0次1/2波長板を作ると厚さは11μm程度にもなってしまいますが、フォトニック結晶は石英板上(通常状態では複屈折性を示さない材料)に成膜されているので取扱いが容易です。
0次の波長板を使うことで、波長や温度の変化、斜め入射に対して得られる位相差の安定性は非常に高いというメリットがあります。加えて、当社では一枚の素子上に複数の軸方位を持たせることも可能です。
フォトニック結晶で作製したトゥルーゼロオーダー波長板
是非、お問い合せください
「場所によって偏光状態が違うビームを作りたい・・・」
「短波長で使用できる偏光素子を探しているけど、液晶や有機多層膜では難しい・・・」
「ビームシェイピング素子を他のオプティクスと貼り合わせて使いたい・・・」
そんなお悩み・ご要望のある方は、ぜひ当社のフォトニック結晶素子の使用を試してみてはいかがでしょうか。
偏光関連技術やビームシェイピング技術のご相談対応はもちろん、素子試作のご要望等にも迅速に対応いたします。
こちらの技術紹介もご参考にしてください。
https://www.photonic-lattice.com/technology/
カテゴリ
- #フォトニック結晶
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- #フォトニック結晶光学素子
関連論文
光産業の共通ツールとしてのフォトニック結晶 川上彰二郎、佐藤尚、川嶋貴之、井上喜彦 /応用物理学会誌Vol.74、2005年 2月
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光産業の共通ツールとしてのフォトニック結晶 川上彰二郎、佐藤尚、川嶋貴之、井上喜彦 /応用物理学会誌Vol.74、2005年 2月
フォトニック結晶素子を用いた軸対称偏光ビーム 井上 喜彦 他/第32回光学シンポジウム、2007年 7月05日
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