レオメータに新たな価値を “偏光イメージング”で新たな解析へ
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2022/7/19配信メルマガ
皆様はレオメータをお使いでしょうか?
高分子の分子構造に基づく材料特性を明らかにすることができる装置です。
最近では粘弾性の高度な制御のため、材料構造の変化過程を詳細に解析したいというニーズが高まっています。
このメルマガではそのニーズにお応えするレオメータと偏光ハイスピードカメラを組み合わせた「偏光イメージングによる構造解析手法」をご紹介します。
粘弾性評価用偏光ハイスピードカメラ
偏光ハイスピードカメラとレオメータ
*レオメータはAnton Paar社製になります
https://www.photonic-lattice.com/products/crysta-pi-5wp/
特徴
偏光ハイスピードカメラは、ワンショットで偏光状態を定量化、さらに高速の撮影性能により瞬間的な粘弾性変化の様子を追従することが可能です。
高分子流体の瞬間的な配向変化を撮影
https://www.photonic-lattice.com/case/case-853/
測定例 セルロースナノファイバー(CNF)の動的構造変化
CNFは三次元網目構造を有したものですが、下図の粘度曲線の通り、せん断速度とともに粘度は減少するシアシニング挙動を示します。
ただし、~10sec-1付近に粘度の平坦領域(緑の領域)が見られます。
CNFの粘度曲線
この平坦部でどのような構造変化が起きたのでしょうか?
下図のSALSの散乱像を見ると、せん断速度の上昇とともに形状が円から楕円形に変化しています。これは流動方向に配向した繊維の凝集体に対応しています。
偏光イメージング画像の主軸方位を見ると、10sec-1前は空間的に繊維の方向がランダムであるが、10sec-1となると、急激に流動方向に配向したため、流路内で半径方向に均一かつ連続的に滑らかな状態へと変化したことが確認できます。
通常、粘度曲線が想定していたものと違う場合には、異物の混入や装置自体の故障などを疑うことも少なくありませんでした。
今回偏光イメージングを併用し、高分子流体の瞬間的な配向変化をとらえることで、CNFの粘弾性の特徴を深く理解することができました。
是非、お問い合せください
Anton Paar社製のMCR302をお手持ちの場合は、偏光ハイスピードカメラの搭載が可能です。初回デモは無償で実施しておりますので、お気軽にご連絡ください。それ以外の機種については、実機の下見を実施しており、取り付け可否を確認いたします。
こちらの技術紹介もご参考にしてください。
https://www.photonic-lattice.com/technology/
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関連論文
フォトニック結晶偏光子を用いた 偏光イメージングカメラの開発 川上彰二郎、川嶋貴之 他/電子情報通信学会誌C、 2007年 1月
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