フォトニック結晶について
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フォトニック結晶は規則的に作られた人工構造であり、自然界の材料では実現できない光の制御が可能となる技術です。しかし、極めて微細な構造を正確に作る必要があるため、製品化までたどり着いた企業はほとんどありません。
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当社では、凹凸を形成した基板の上に膜を多層に積み重ねるだけで、フォトニック結晶を作る技術を有しています。
凹凸のサイズは数十nmから数μmまで自由自在です。
1回のパターニング、成膜というシンプルなプロセスで、精密な立体構造を作ることが可能です。
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例えば右のような構造は、構造に異方性を持つため、縦と横の偏光の間に光学特性の違いが生じます。異方性の方向は基板のパターンで決められます。
各層の厚さを制御すると、多層膜での光の干渉により、片方の偏光が反射する偏光子として機能したり、偏光状態を変える波長板として機能したりすることができます。
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基板のパターンを変えると、いろいろな軸分布を持つ偏光子、波長板を自由に作ることができる。つまり自由な偏光分布が実現できます。
この技術は偏光イメージングセンサ、光通信用多チャンネル偏光変換素子、半導体ウエハ検査用の特殊フィルタとして使用されています。
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さらに最近では幾何学位相という概念を導入し、位相制御により新しい機能の実現に取り組んでいます。左右の円偏光を分離する回折格子や、ビーム形状の制御にも実現しています。
偏光だけではなく、位相まで制御することでさらに新しいアプリケーションが広がっています。