次世代光通信の高集積化・高精密化デバイス実現に向けた技術支援

最先端の偏光・波面制御技術

人類が用いる通信容量は常に増加し続けていますが、コロナ禍によりそのスピードはさらに加速しています。ビデオ会議、動画配信、IoT、VR, AR、メタバースなど様々なアプリケーションが生み出され、世界中の人々はその恩恵を受けています。
そのアプリケーションを支える通信インフラも飛躍的な成長を遂げており、すでに光通信網が世界中に張り巡らされています。
光通信は当初、光の点滅を高速に行うことで信号を伝えるシステムでしたが、最近の大容量通信にはそれだけでは足りなくなっています。もちろん光ファイバを増やせば通信容量は増加しますが、大陸間を結ぶ光ファイバの敷設費用は数百億円に上るため、1本の光ファイバをどれだけ効率よく使うかが、約20年以上前から技術開発の焦点となっていました。
そして点滅の高速化の次は波長の多重化が進めらましたが、1本の光ファイバに入れられる波長の数にも限界があり、次の技術が求められていました。

そうした中、光の強度、位相及び偏光を用いるデジタルコヒーレント通信が提案されました。光の強弱に加え、波としての特長である位相を0,90度…と意図的にずらすことで、さらに多くの信号を載せることができます。さらに縦と横の偏光は物理的には混ざらないため、それぞれに異なる信号を載せて、容量を2倍にすることができます。
このように光の波としての特長である、位相、偏光の制御性が重要となってきました。一方で通信デバイスは常に小型化、集積化を求められます。これは通信基地局など決まったスペースを変えずに通信容量を増やすことが求められるからです。
当社のフォトニック結晶技術では、面内で自由なパターンを持つ偏光分布を実現することができます。例えば、多チャンネルの光ビームの偏光をチャンネルごとに偏光制御する機能を集積化することができます。したがって当社のフォトニック結晶技術は、デジタルコヒーレント通信デバイスの集積化において、高い設計自由度をもたらすことができます。

さらにフォトニック結晶素子を貼り合わせるだけで、光の偏光と位相を制御できるコヒーレント通信受信器用光回路を実証しています[1]。このコンセプトは、光ビーム面内での位相制御にも適用することが可能であり、次々世代通信の候補である多モード伝送のための光学素子としても有用な働きを示すと考えられます。

フォトニックラティスでは設計から試作・製造まで一貫した体制を準備しています。お客様のニーズに迅速かつフレキシブルな対応を実現できます。
フォトニック結晶技術のポイントは「多重化」「集積化」です。一方で光通信容量の増加は間違いなく、フォトニック結晶はまさにこのニーズにマッチしています。この特長を生かしたデバイスを提案、提供していくことで、未来の豊かな情報化社会にむけて貢献していきたいと考えています。

[1] “3-D PBS & 90 ° optical hybrid circuit using novel planar polarization optics”, OFC 2019, MIC.6

カテゴリ

  • #次世代光通信ソリューション
  • #フォトニック結晶光学素子

関連製品