測定レンジの限界とWPAシリーズによるその拡張(4/4)
- 複屈折の理解から当社装置の計測原理や特徴を4つの記事でまとめています
測定レンジの拡張手段 (その1. 偏光子回転式と波長板回転式)
【偏光イメージセンサ構造の比較】
PAシリーズ
向きの異なる偏光子の集積素子をCCDと一体化
→偏光子回転式の測定原理
偏光子回転式の基本構成(従来技術)
WPAシリーズ
向きの異なる波長板の集積素子と一様な偏光子とCCDと一体化した、3層構造の新型偏光センサーを内蔵
→波長板回転式の測定原理
測定原理の違いにより、WPAシリーズは測定レンジが2倍になる
PAシリーズとWPAシリーズの製品紹介はこちら
測定レンジの拡張手段 (その1. 偏光子回転式と波長板回転式)
測定原理:フィルタを回転させたときの光量変化の仕方から偏光情報を判断する。
↓
・偏光子回転式では、楕円(円)偏光の回転方向が区別つかない。
・波長回転式では、楕円(円)偏光の回転方向の区別がつく。
↓
波長板回転式の方が測定レンジが広い
測定レンジの拡張手段 (その2. 複数波長の測定結果の比較演算)
偏光センサの改良に加えて、複数波長で測定した結果を比較する方式の採用により、測定レンジを更に拡大。
複数波長で測定レンジが拡大する理由
単一波長では波長以上の位相差は原理的に区別不能
別な波長での測定値と比較するとレンジが拡大する
【図を用いた補足説明】
上図の赤線の波グラフで、縦軸の値から横軸の値を決めようとしてみる。
すると、縦軸がαになる横軸の値には、A、A+λ、A+2λ…など複数の候補値を持ち、これらを識別することはできない。
しかし、緑線の値も併せて考慮すると上記3点は緑線上では異なる値であり、識別可能になる。
装置の基本構成比較
PAシリーズには測定波長(520nm)だけを透過させる波長フィルタが内蔵されているが、
WPAシリーズではレンズの前にレボルバー式の可変波長フィルターが配置されている。
PAシリーズとWPAシリーズの装置構成比較
WPAシリーズの測定レンジ
1波長を超える大きな位相差の測定が実現
コの字部材に徐々に大きな力を加えていったときの位相差分布の変化
各図白線上の位相差分布グラフ
PAシリーズとWPAシリーズの測定データ比較
位相差が数100nmのサンプル(樹脂レンズ)の測定例
PAシリーズの測定データ
WPAシリーズの測定データ
赤線上の位相差分布グラフ比較
PAシリーズも、レンズ中央付近の100nm程度以下の領域は、WPAシリーズと同じ正しい測定結果が得られている。
レンズ周辺の大きな位相差領域でも、WPAシリーズでは正しい測定結果を得ることができる。
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